昨今、全般的に子どもの論理的思考力が落ちてきているように感じます。それはどうしてでしょうか。また、論理的な思考力は他の思考力とどう違うのでしょうか。
新しいものを生み出していく創造的思考、一瞬で判断する直感的思考など、思考力(知能)には様々なものがあります。思考力の中でも使用頻度が高く、一番深い思考が論理的思考です。論理的思考とは、一目見た直感的思考では回答できないような複雑な問題を筋道を立てて順序立てて解きほぐしていく力です。時間をかけて順番に考えて行く思考ですので、面倒で手間がかかる思考とも言えます。以前はパズルをすると「自分の力だけで解きたいから、先生、ヒントを出さないで」という子ども達が多くいましたが、ここ10年ぐらいは様子が違います。少し考えて問題が解けないと「難しすぎる」、「ヒントを出して」、「答えを教えて」という子ども達の割合が多くなっています。以前に比べて、自分の思考を少しずつ順番に積み上げて、正解に近づいていくということができなくなっています。すなわち、論理的思考力が下がってきているということです。
論理的思考力を持つメリットは次の三つあります。一番目は理解力が向上することです。お父さん、お母さんの話、先生の話がスッと入ってきます。本の内容も同じです。本の読み聞かせを聞いて誤解を生じずに場面を想像することができます。
二番目が難しい課題に挑戦できることです。順序立てて考えて行くことができなければ、一目見て分からなければ、できないからヒント出して、答えを教えてとあきらめてしまいます。論理的思考力がなければ自分の思考を積み上げていくことができませんので、複雑な課題を解くことができません。
三番目が説明能力の向上です。筋道を立てて順に説明することができます。つまり分かりやすい話ができたり、文章を書くことができます。
以上が論理的思考力を持つ三つのメリットです。論理的思考力を持っている子が少数だとすると、この力を手に入れることができれば大きな強みになります。
次回は具体的な論理的な思考力を伸ばす方法をお伝えいたします。
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