脳内ホルモン『ドーパミン』を活かした叱り方をすると、親子共々、ネガティブなどんよりした気持ちにならず、叱ることでお互いに前向きな気持ちになることができます。
前回は脳内ホルモン『オキシトシン』を活かした叱り方を説明しました。今回は別の脳内ホルモン『ドーパミン』を活かした叱り方をご紹介します。ドーパミンは、意欲、やる気を引き出し、快感や幸せな気持ち、期待感を感じさせる神経伝達物質です。
たいていの場合、お子さんは叱られたくないけれど、叱られてしまったという気持ちになるでしょう。お子さんは叱られてしまって、次のような気持ちになるのでないでしょうか。嫌な気持ちだった。落ち込んだ。納得いかなかった。中には「自分はどうせダメ」、「頭に来る」などもあるかも知れません。逆にお父さん、お母さんも、次のような気持ちになることが多いのではないでしょうか。子どもががっかりしていて、落ち込んだ。どこまで伝わっているか不安だ。いつも同じ事をいわなければならなくて、嫌だ。言い返されて正直頭にくる。
叱る、叱られるではお互いにネガティブな気持ちになりがちです。そこを前向きな気持ちの叱りにシフトしていきましょう。
叱る際は叱られる部分が改善されるとどれだけ良くなっていくか、どのような未来が待っているかを強調して話をしましょう。例えば、片づけをしないのであれば、できるようになったときにどのようなメリットがあるか。粘り強くサッカーの練習をすることで、どんな良いことがあるか。子どもは将来を見通すことがなかなかできず、その場の好き嫌いで判断しがちです。親が未来を説明することで視界が遠くまで開けていきます。
ドーパミンを活かした叱りとは、未来のプラス面に結びつけて諭すことで、ポジティブで、期待感を持てる前向き叱りのことです。期待感を持つことでドーパミンが多く分泌し、さらに前向き思考になっていきます。親子共々、ストレスを感じる叱りとは真逆の叱りと言えます。
注意点が3つあります。1つ目はサッカー選手になって活躍するといった遠い将来や最終目的地だけでなく、途中経過や近い将来も同時にイメージさせるようにしてください。リフティング○○回や所属しているサッカーチームでレギュラーになるなどの中間目標を示すということです。階段状に自分の将来をイメージさせ、目標設定を相談していきましょう。
2つ目が未来を期待させるとは言え、褒美を出さないということです。褒美を出し出てしまうと、それを受け取ることが目的になってしまいます。褒美を出すと、自分の中で自然に芽生えたやる気、興味が返ってそがれてしまうことが分かっています。
3つ目が叱る時に話が長くなりすぎないようにしてください。長時間叱りは右から左に叱りを聞き流す、聞き流し習慣がつくだけです。将来に視点を向けるためにしっかりとした説明が必要ではありますが、長くなりすぎないように気をつけてください。お子さんの反応や顔色を見て前向きな気持ちになっていない(ドーパミンが出ていないとも言えます。)様子でしたら、この話題ではお子さんの感情に刺さっていない訳なので、方向転換した方がが良いと言うことです。
ドーパミンを活かした未来志向の叱りでお子さんを導いてあげてください。
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